なでしこジャパンのグレードアップに追いつけ!

 フットサル日本代表の三浦知良(45=横浜FC)が28日、チームとともに11月1日開幕のW杯開催地タイに入った。エコノミークラスでの移動だったが、成田空港でのセレモニーでは「いい成績を残して、帰りはビジネスクラスにグレードアップしてもらいたい」とあいさつ。ロンドン五輪で女子日本代表が出発時のプレミアムエコノミー席から銀メダル獲得後の帰国時にはビジネスクラスへランクアップ。なでしこに続く旋風を誓った。

 淡いグレーのスーツに身を包んだカズがチームバスで成田空港に到着すると、サポーターの「NIPPON」コールを受けた。出国前のセレモニーでは「いい成績を残して、帰りはビジネスクラスにグレードアップしてもらいたい」と周囲を笑わせた。にこやかな表情でも、メガネの奥の目は真剣だった。

 ロンドン五輪銀メダルのなでしこジャパン同様の活躍を誓っていた。同代表は機内の座席を出発時のプレミアムエコノミー席から、銀メダルを獲得したことで帰国時にはビジネスクラスへランクアップ。昨年のW杯優勝もあり、世の中に確固たる地位を築き上げた。フットサルも負けてはいられない。強い意志の表れだった。

 前日27日の親善試合ウクライナ戦では代表初ゴールを決めた。周囲の反応は「特にはないです」とニヤリ。強豪相手に3-1での勝利にも「いい準備は出来ている。ただここからが本当の勝負だと思います。ここからは気持ちが大事。向こう(タイ)で3日間、チームとしてのレベルを上げて11月1日の試合を迎えたい」と気を緩めることはなかった。

 大きな志がある。「フットサルの歴史、扉を開くためにもグループリーグを突破することが大事になる。少しでも上に行けるように、まずはブラジル戦に勝つこと。グループリーグ突破を目標に頑張りたい」。ただ勝つだけが目標ではない。日本のフットサルを世界に知らしめるための戦いでもある。

 三流の席でも、しっかりと戦闘態勢を整えられるのが一流。カズは約5時間半のフライト中は機内食を食べ、睡眠も取った。到着すると、タイの太陽の下で「意外と寝れたし、食べられた。疲れはいつ来るか分からないけどね」と笑った。エコノミークラスでも抱えきれないほどの手土産を持ち帰る。【今井貴久】