16年リオデジャネイロ五輪を目指すU-21(21歳以下)日本代表が、今月下旬に行う第1回国内合宿(都内)でU-19日本代表と対戦する計画を立てている。7日、日本協会関係者が明かした。代表同士の試合は珍しく、課題とされる世代別の強化を同時に図れる試み。手倉森誠監督(46)が率いるU-21代表だけでなく、鈴木政一監督(59)のU-19代表からも、新戦力を発掘することになる。

 世代別とはいえ、日本代表同士の珍しい対決が実現しそうだ。手倉森監督のU-21代表は都内で、鈴木監督のU-19代表は千葉県内で、それぞれ3日間の合宿を同時期に予定。2日にJ2湘南-山形戦を視察した手倉森監督は「3日間の合宿では練習しかできない」と説明していたが、日本協会の関係者によると、合宿最終日に両代表が練習試合を行う可能性が浮上した。

 調整がまとまれば、この合宿から選手選考を本格化する手倉森監督にとって一石二鳥だ。実戦を通してU-21代表の戦力発掘と戦術理解の確認ができる上、MF南野拓実(19=C大阪)高木大輔(18=東京V)らU-19代表の有望株のチェックが可能。「飛び級」で引き上げることもできる。

 U-19代表にとってもメリットは大きい。4大会ぶりのU-20W杯出場を目指す10月のアジア選手権に向けて、1世代上の胸を借りる絶好の強化試合となる。

 U-21代表は1月のU-22アジア選手権(オマーン)で8強止まり。準々決勝でイラクに敗退後、手倉森監督は「帰国したら、短期決戦で力を出せるタフな人材を幅広く発掘したい」と話していた。2日のJ2視察後も「オマーンで見られなかった選手、Jで活躍する選手を手元に置き、自分のコンセプトを伝えたい」と説明。合宿に50人超を呼ぶ考えを明かしていた。

 手倉森監督は先月末に、大学選抜のデンソー杯チャレンジも視察。出場していた複数の大学生も招集する意向だという。さらにU-19代表と連携することで、人材発掘の精度を高めていく。