アジア杯で2連覇を狙う日本代表は8日、直前合宿を行っていたオーストラリア南東部セスノックでの調整を打ち上げた。

 セスノック最後の練習は、アギーレ劇場で幕を閉じた。クロスから得点を狙う練習に移ると、ハビエル・アギーレ監督(56)のボルテージは一気に上がった。サイドの選手には蹴る直前に「いいボール(を上げろ)!」と要求。左サイドの太田がグラウンダーのクロスを送り、走り込んだ長谷部が豪快に決めると、持っていたバインダーを芝に投げつけ「ブラーボー!

 グッド!」と親指を立てた。これまでの合宿で、うまくいかずに帽子をたたきつけたことはあった。だが、褒める時も同じ剣幕だった。

 褒めるだけでは終わらない。クロスを上げるリズムが狂うと「もう1回だ」と身ぶり手ぶりで促した。ある選手が「日本語に訳せない」と言うほど、失敗すれば口汚い言葉でののしった。だが、失敗した選手が次に成功すれば名前を呼んで目が合ってから「グッド」とフォロー。アメとムチを使い分け、緊張感を持たせた。

 今日9日以降の練習は、ほとんどを非公開にして最終的な詰めの作業に入る。決戦の地に移動し、ムードはさらに高まってきた。【高橋悟史】