2季ぶりのJ1に挑んだ湘南が、昨季2位の浦和に逆転負けした。前半36分にDF遠藤のPKで先制したが、逃げ切れず3失点。

 U-22(22歳以下)日本代表でも主力の遠藤は「前半はチャンスをつくれたけど、最後はDFラインが下がってしまった。J1の選手は1人1人、球際の強さがあった」と反省した。

 個人的にも勝利がほしかった。試合前、遠藤に第2子の長女が誕生していた。予定日は22日だったが開幕戦当日に早まり「昼に陣痛がきました」。思い描いた通り、得点後は「ゆりかごダンス」で喜びを表現したが「ゴールまでは良かったけど。勝てれば最高だった」と複雑な表情だった。

 チームとしても力試しの一戦だった。昨季はJ2を31勝8分け3敗の成績で制覇。開幕14連勝、21戦負けなしなどの記録を打ち立てた。前線から激しくプレスをかけ、豊富な運動量で数的優位をつくって攻守を切り替える「湘南スタイル」。この日も序盤は主導権を握り、前半24分には一気に6人が敵ゴールに迫る速攻で浦和サポーターを黙らせた。だが、運動量の衰えた終盤に力尽きた。

 後半20分から、浦和から加入のMF山田を投入するなど勝負に出たが、返り討ち。曹監督は「海に出てみないと分からないこともある。今日は2点目、3点目を取れなかった。反対にスキを得点に結びつけられた。今日の敗戦を忘れてはいけない」と、13年以来のJ1舞台を振り返った。