横浜がホームで川崎Fに完敗した。

 Jリーグは今季から選手を自動追尾する「トラッキングシステム」を導入。公式サイト上で各選手の走行距離など各種データを確認できる。

 7日は、第1節の8試合を消化(清水-鹿島は8日)。出場選手中、最も長い距離を走った選手はフル出場した横浜MF兵藤慎剛(29)の13・05キロだった。

 13キロ超という数字は、W杯や欧州の各国リーグと比較しても、かなり走っている部類に入る。

 目立たないが、チャンスの陰に兵藤有り、ともいわれる名門きっての頭脳派で、ビッグネームがそろう横浜でも絶対に欠かせないプレーヤーだ。

 ただ、1-3という結果もあり、よく走ったと手放しでは喜べない。兵藤の運動量が突出していたのは間違いない。ただ、守備ブロックの間でいいように相手にボールを回され、気の利く背番号7が“走らされた”という面も否定できない。

 サッカーにおいて、違いを生み出すため、相手を引き付けたり、スペースに動く“無駄走り”は必要だが、すべてはゴール、勝利のため。兵藤の献身的プレーも、文字通りの「無駄走り」に終わってしまった。

 総走行距離のチーム合計も横浜の120・38キロが16チーム中、最長だった。もともと運動量で相手を圧倒するチームスタイルではない。今後も引き続き注意してみていく必要はあるが、この日に限っては川崎Fに振り回され、走らされたということだろう。開幕戦の神奈川ダービーは、いろいろな面でショックの大きな敗戦となった。