仙台は今日22日のナビスコ杯アウェー清水戦へ、大幅にメンバーを入れ替えて臨む。中でもMF藤村慶太(21)FW山本大貴(23)MFキム・ミンテ(21)の3選手が、今季初先発する可能性が濃厚だ。21日の紅白戦では、藤村がトップ下でセットプレーのキッカーも務め、山本が左サイドハーフ、ミンテがボランチでプレー。同杯1次予選リーグ突破へ“フレッシュな力”で勝利を目指す。

 ベガルタの若き伏兵が大暴れする。チームは18日のリーグ川崎F戦からGKを含めた先発9人を変更する見込みで、システムも4-4-2から4-2-3-1と4-1-4-1を変動的に使えるような布陣で臨む可能性が高い。若手の積極起用で成長を促すとともに、連戦を「総力戦」で乗り切るためにも大幅なメンバー変更を行うつもりだ。

 今回、初先発のチャンスを得たのが藤村、山本、ミンテだ。大黒柱のMF野沢を欠くと手薄な左SHに、左利きのストライカー山本を起用。実際、今節は体調不良により先発回避する可能性の高い野沢に代わり“ポスト野沢”として活躍が期待される。ボランチには対人に強いミンテ、経験のある武井の2人を使い、普段ボランチの藤村をトップ下から中盤の底まで自由に動かすことができるシステムを採用。各選手のプレー幅を広げ、かつ勝利も奪いに行く構えだ。

 藤村は、昨年6月1日のナビスコ杯神戸戦で初先発初出場し、初シュートが初ゴールになるという“持ってる男”。今季は18日の川崎F戦でベンチ入りも「4年目になるし、茂木など若手の活躍で焦りも少しある」と出場機会に飢えていた。初先発でキーポジションを任されることになりそうだが「どの位置で出ても、印象を残さないといけない立場。得点やアシストなど目に見える結果を出したい」。普段はクールな21歳だが「表に出さないけど悔しい気持ちとか、負けられないという思いはかなりありますよ」と挽回に燃える。

 仙台復帰後初スタメンとなる山本も「ここからがスタート。決定機を作り、結果を出す」と意気込む。右膝関節内側側副靱帯(じんたい)損傷で開幕に間に合わなかった悔しさもプレーで晴らすつもりだ。渡辺監督は「先も見据えながら、目の前の一戦を白星に結び付ける。勝つためのメンバーで行きます」と大きな期待を持って送り出す。【成田光季】