天王山と呼ぶには、あまりに差が歴然としていた。首位奪取を狙う東京が、完敗した。マッシモ・フィッカデンティ監督(47)が「今日は浦和が勝利にふさわしい内容だった」と認める90分間。「4失点目が象徴的だった」。1-3の後半31分、ペナルティーエリア内でMF米本がボールを失い、痛い追加点を許した。FW前田遼一(33)の移籍後初ゴールで取り戻した勢いが消えた。

 前半5分の失点でプランが崩れたというよりも、球際勝負から差が出ていた。頭から突っ込む気迫を見せる浦和に対し、足先で触ろうとする東京に、1対1の局面で軍配は上がらない。今季の攻撃スタイルであるカウンターはずる賢く時間をかせいで封じられ、頼みのセットプレーも研究されていた。前半25分に右CKを頭で合わせ、惜しくも右に外したFW武藤嘉紀(22)は「完敗です。大一番で力及ばなかったことが悔しい」。頂点は遠くなった。