バルセロナの下部組織を退団し、5月中旬に東京U-15むさしに加入したFW久保建英(13)がデビュー戦でゴールを挙げた。関東U-15リーグ1部の横浜ジュニアユース戦に3トップの右で先発。U-15日本代表・森山佳郎監督(47)が見守る前で、1点リードの前半37分に移籍後初得点を挙げ、勝利に貢献した。

 中学2年とは思えない落ち着きだ。1-0の前半37分。久保はペナルティーエリア内で右後方からパスを受けると、左足で打つそぶりを見せながら、一瞬で相手DFの位置を確認。すぐさま右足に持ちかえ、柔らかいシュートをゴール右隅へ流し込んだ。

 このプレーをU-15日本代表の森山監督は「表の久保と裏の久保を見せることができて良かった」と絶賛した。前半から久保は右サイドでボールを受けると、メッシのように中央へドリブルで切れ込み左足シュートを連発。得点シーンでは相手DFが左足を警戒しすぎ、久保の右側が空いた状態になっていた。

 森山監督は「左を蹴るぞと見せかけて切り返して右足で決めて、面白いゴールだった。相手は分かったら表(左足)を防いでくる。裏(右足)を見せられたのは良かった」と話した。ボールを失う場面はほとんどなく、守備でも迫力のある寄せを見せた。周囲との連係も上々だ。

 この日は真夏並みの暑さということもあり、後半21分で交代。直前には疲れからか、ややミスが目立つ場面もあった。だが、コンディションはこれから上げればいい。1年以上、実戦から遠ざかっていたにもかかわらず、約60分間走り回り、決勝点を挙げた活躍が久保の非凡さを物語っていた。【千葉修宏】

 ◆久保建英(くぼ・たけふさ)2001年(平13)6月4日、川崎市生まれ。川崎Fジュニアを経て11年8月にバルセロナ下部組織入り。バルサが18歳未満の外国人選手獲得・登録に違反した影響を受け今春、退団。東京U15むさし加入。163センチ、52キロ。