リーグ6位の1試合平均失点1・07を誇る山形守備陣が、広島FW佐藤寿人1人に粉砕された。前半26分に縦パスをダイレクトに合わされ先制点を許すと、2分後にも決められ集中力が切れた。佐藤のハットトリックを含む今季ワーストの5失点に沈んだ。石崎信弘監督(57)は「ケアしなければならないポイントから決められた。最後の判断ミス、個人的なミスを改善しないと」と悔しさをにじませた。

 対応力の差だった。試合開始後にシュート2本を浴び、ペースを握られていた広島が方針転換。前半20分以降は徹底的にパスをつながれ、一瞬のほころびを突かれた。一方の山形は先制点を献上した2分後に追加点を奪われ、歯止めが利かなくなった。佐藤と対抗したDF西河は「立ち上がり悪くなかったが、まわされ出した。修正能力の差はあった。マンツーマンにつきすぎると(佐藤に守備が)ずれたところを突かれる」とお手上げだった。

 攻撃陣も8戦ぶりに先発したFW川西が機能せず、前半で交代。前線3人からのプレスが決まらず、相手のパスを寸断できなかった。途中出場のFW中島が後半24分に一矢報いるも焼け石に水だった。

 アウェー8戦でいまだ白星がない。第1ステージ最終節はホーム27日G大阪戦。GK山岸主将は「このままじゃ終われない。次のガンバ戦でなんとしても勝って締めくくりたい」と前を向いた。【高橋洋平】