浦和第1ステージ優勝の立役者、FW武藤雄樹(26)に思わぬ“ご褒美”が準備された。チームは明日27日の同ステージ最終節新潟戦に、史上初のステージ無敗優勝を懸けて臨む。同じ「武藤」の活躍を喜ぶプロレスラー武藤敬司(52)は、無敗V達成時のお祝いとして、代名詞のプロレスLOVEポーズを伝授したい考えを示した。

 優勝しても、浦和の武藤は変わらなかった。25日の全体練習後も、いつものようにグラウンドに残り、入念にストレッチ。「タイトル取れたのは良かったけど、年間優勝という大きな目標がある。無敗で終われば、第2ステージへ弾みにもなるし、ホームのサポーターのみなさんにも喜んでもらえる」と意気込んだ。

 そんな武藤の「サッカーLOVE」「浦和LOVE」が思わぬ人物の心を打った。プロレス界のレジェンド、武藤敬司だ。同じ武藤がひた向きなプレーで、チームを第1ステージ優勝に導き、多くのファンを熱狂させていることを喜ぶ。新潟戦で勝てば、優勝に史上初のステージ無敗、00年磐田以来のホーム戦ステージ全勝がかかると聞くと「お祝いを準備しないといけないよね」と切り出した。

 武藤敬司 何でもオレに気を使って、LOVEポーズを遠慮しているっていうじゃない。じゃあさ、無敗優勝を達成したら、お祝いにLOVEポーズを公認するってことでどうかな。

 浦和の武藤は以前から、試合後にサポーターに「LOVEポーズ」を求められていた。しかし「ご本人の許可がないので」と人目を気にし、小さくなってポーズをしていた。

 本人を最大限にリスペクトしつつも、ファンの求めにも生真面目に応じる姿勢を、同じくファンを大事にするプロレスラー武藤は好ましく感じている。「ゴールとLOVEポーズで、スタンドがドッと沸いたら、オレもしびれるね」。50歳を超えてからW-1チャンピオンシップ王座を2度防衛したほか、レスラー人生で数々のベルトを巻いてきた。無敗を続ける難しさもよく知っている。競技を超えた「LOVE」を、浦和の武藤に贈る。

 ◆LOVEポーズ 武藤敬司の決めポーズ。親指、薬指、中指をくっつけ、人さし指と小指を立てた両手を、口の前で合わせた後に広げる。主にリングに片ひざをついて決める。