なでしこジャパンの主将で岡山湯郷MF宮間あや(30)が、世界最高水準のFK弾を決めた。0-0で迎えた新潟戦の後半34分。約30メートルの距離から右足を振り抜き、無回転のブレ球を直接ゴールにたたき込んだ。2戦連続今季3得点目で勝利。台風11号の影響で開催が危ぶまれたが、足を運んだ観客を喜ばせた。

 世界中の誰が見たってワンダフルゴールだ。宮間が右足を振り抜いた。雨が上がった岡山の夜空を、ボールが切り裂く。約30メートルの距離をものともしない無回転のブレ球。「(無回転を)狙っていた」という直接FKが、1-0の決勝弾だ。

 周到な伏線があった。前半からゴール前のFKを、FWの頭に合わせ続けた。「相手がクロスを狙っているのが分かった」。一進一退だった試合の終盤に、裏をかいてドン! 「外したら(おとりに使った)皆に申し訳ないけれど」とにっこり。冷静な頭脳と抜群の技術で奪ったゴールだ。

 台風11号の影響で開催が危ぶまれた。この日は本拠地美作ではなく、岡山市内での試合。1365人の観客に勝ち点3を届けて「足元の悪い中、皆さんの力で雨がやんでサッカーができました。女子サッカーをサポートしていただいてうれしいです」と喜んだ。

 なでしこジャパンは来春、大阪でリオ五輪予選を戦うことが決まった。それでも宮間は「今は特に考えてない。その時に考えます。リーグに集中したい」。ただ代表のユニホームを着ていなくても、なでしこリーグには世界最高級のプレーヤーがいる。【益田一弘】