【広州(中国)29日=小杉舞】G大阪にパワーアップした難敵が立ちはだかる。今日30日のアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)準決勝第1戦アウェー広州恒大戦を翌日に控え、試合会場で公式会見と練習に臨んだ。豊富な資金力で有名な相手は、準決勝で通常の勝利給だけでなく、得失点差1につき500万元(約9600万円)のボーナスを追加設定したことが判明。G大阪はスポーツマンシップにのっとって、Jリーグの意地をぶつける。

 G大阪が“にんじん作戦”に出た金満クラブに立ち向かう。7年ぶりの決勝進出へ向けた大一番で広州恒大に“エサ”がまかれたことが分かった。地元メディアによると、準決勝2試合の勝利給600万元(約1億1500万円)に加えて、得失点差1につき500万元(約9600万円)のボーナスがチームへ配布される。ボーナスの限度は、なんと10億円近い5000万元という桁違いな金額だ。

 G大阪には残念ながらACLでのボーナス制度はない。長谷川健太監督(50)は「我々はスポーツマンシップにのっとって戦っていきたい」。FW宇佐美も「お金のためにサッカーをやっているんじゃない。応援してくれる人、家族のためにやっている。ボーナスのある、ないはプレーに関係ない」ときっぱり言い切った。

 相手は決勝に進出すれば、さらに600万元が臨時で配布される。6月にスコラリ監督体制になってからは、リーグ戦でも得失点差ボーナス制度ができた。資金力で上を行かれ、野呂社長は「うちも、決勝に行ったら(ボーナスを)考える」と対抗心をのぞかせた。

 ここまで一丸となって勝ち上がってきた。準々決勝第2戦では宇佐美を出場停止で欠きながら劇的勝利を収めた。この日エースは約1時間、ピッチで動きを確かめて「悪くない感じがした」。ACLでのアウェー広州恒大戦は昨年C大阪が勝ったものの、Jリーグ勢は通算1勝1分け6敗と苦しんでいる。アジア王者に返り咲くため、G大阪らしく底力を見せる。【小杉舞】