奇跡の昇格から1年。山形が神戸に敗れ、再びJ2に降格することが決まった。昨年の昇格プレーオフ準決勝でロスタイムに決勝ヘッドをたたき込み、6位からの昇格の立役者となったGK山岸は「目標達成できなかったのは残念。足りない要素は1つじゃない」と唇をかんだ。

 4年前に降格が決まった神戸の地で、負けパターンを繰り返した。MFアルセウがFKを決めて1-1とした3分後、最終ラインの連係が乱れて勝ち越された。攻守の歯車はかみ合わず、得点後10分以内の失点は今季5度目。DF渡辺は「同じ過ちを繰り返してしまった」と下を向いた。

 課題の得点力不足を修正できなかった。今季は32試合中15試合で無得点。23得点はワースト2位だった。J1昇格の原動力となったFWの山崎と川西はともに無得点。今夏、獲得を目指した元日本代表FWのJ2京都の大黒には断られ、期限付き移籍で鹿島から獲得したFW高崎も無得点に終わった。石崎信弘監督(57)は「得点が少ない。チャンスはあるけど決めきれない」と、毎試合のように同じフレーズを繰り返した。

 前線から激しくプレスをかけ続けるスタイルで引き分けに持ち込んだ試合は12。力は及ばなかったが、4季ぶりのJ1で善戦したとも言える。「大変申し訳ない。チームが成長しなければ残れない」。21日に来季の続投が発表された石崎監督のもと、1年でのJ1復帰に挑む。【高橋洋平】

 ▼J1昇格プレーオフ勝者の成績 山形の来季J2降格が決定。山形は昨季J2で6位も、J1昇格プレーオフを制して今季J1に昇格。これで13年の大分(前年J2で6位)、14年の徳島(同4位)に続いて3年連続でJ1昇格プレーオフの勝者が1年でJ2へ戻ることになった。