山形は後半ロスタイムで鳥栖に勝ち越され、終戦となった。

 昨年準優勝の山形が2度追いつくも、鳥栖に競り負けて4回戦で散った。後半43分にMFディエゴのこの日2得点目で3-3の同点にした4分後。相手MF金民友のスルーパスを受けたMF水沼に決勝点を許した。4失点のGK山岸は「逆転できたのに、甘さなのか勝ちきれなかった。悔しさが残る」と唇をかんだ。

 リーグ戦での課題が修正されない。後半6分にMF高木利のプロ初得点で2-1と勝ち越したが、10分後に追いつかれた。得点後10分以内の失点は今季リーグで5度も繰り返している。高木利は「最後粘れなかった。リードした時、プレスにいかないで、ブロックをつくるのもありだと思う。臨機応変に対応していかないと」と下を向いた。石崎信弘監督(57)も「落ち着いて締めるところを締め切れなかった」と振り返る。

 一方で、攻撃陣には光が差した。8月12日のリーグ川崎F戦以来の先発を任されたFW林が1トップで機能した。前線でタメをつくって好機を演出した林は「引かれた相手に対して今まで攻められてなかったけど、ポストプレーで崩せた。ディエゴといい絡みは何度も出せた」と話した。

 22日のリーグG大阪(万博)戦で今季全日程を終え、来季はJ2で戦う。石崎監督は「失点は残念だったけど、攻撃はいい形ができていた。G大阪戦、チャレンジしていきたい」と前を見据えた。敗戦の中からつかんだ手応えを、もう無駄にしない。【高橋洋平】