J2札幌の野々村芳和社長(43)が23日、4-1と勝利した最終栃木戦後のセレモニーで、四方田修平監督(42)に続投オファーを出した。昨年のMF稲本に続く2季連続の公開オファーに同監督は困惑も「トライしたい気持ちはある」と前向きに回答。今季は10位で終戦も、来季はナザリトら3外国人選手を入れ替え、約1億円増える強化費で強力な新戦力を獲得し、万全の体制で5年ぶりの昇格を狙いにいく。

 今年の最終戦も野々村社長が主役だった。「来季も引き続いて四方田監督でチャレンジしたいと思います」。今季最多2万234人のサポーターを前にした公開オファーに、会場がどよめいた。昨季はMF稲本への獲得オファーで沸かせたが、今季は指揮官へのサプライズ。四方田監督は、この話を、セレモニーで初めて聞いた。

 終了後、札幌ドームの一室で、急きょ三上大勝GM(44)が四方田監督に、驚かせたことを謝罪した上で、続投を要請した。指揮官は困惑も、印象は決して悪くはない。「7月末から監督を務めてきて愛着はより強くなった。トライしたい気持ちはあるけど、家族とか、いろいろと相談しなければならないので、しっかり考えて返答したい」。続投には前向きで、受諾次第、正式発表される。

 三上GMは続投要請の理由について「チームとしての一体感をつくってくれたこと、小野の大きな役割を引き出してくれたこと」と挙げた。クラブでは16年も、小野を中心としたチーム作りを基本線に考えており、体制継続で流れを生かすことを重視した。

 軸を固めた上で、補強で上積みを図る。野々村社長は「クラブとして指導者を育てることも大事。まだ経験不足なところもあるので、補強などでサポートできれば」と話した。今季はFWナザリト、MFニウド、DFパウロンが十分に機能できなかったが、来季は3人とも移籍濃厚。強化費は約1億円増の見込みで、この資金で、3人の新外国人選手獲得に動く。南米視察に出向いていた三上GMのリストから厳選、爆発力ある新助っ人を3人加え、戦力を増強する。

 4季連続のJ2は、03~07年の5季連続に次ぐ長さ。消化試合にもかかわらず、2万人以上も集まった熱いサポーターの思いを、無駄にはしない。【永野高輔】