G大阪は今日28日、年間王者を争うチャンピオンシップ(CS)準決勝で浦和と対戦する。敵地埼玉での一発勝負。FW宇佐美貴史(23)は、同じ日本代表で攻撃的な浦和DF槙野智章(28)に対して「隙がある」と指摘。代表戦を除けば公式戦8試合ゴールがないエースが、年間勝ち点1位の広島が待つ決勝へと導く。昨季3冠のG大阪は天皇杯と合わせた2冠が今季のノルマだ。

 宇佐美の言葉には覚悟がにじんだ。年間勝ち点3位G大阪が、同2位浦和と対戦する準決勝。「堅い試合になると思う。1点の重みが出る」。同点の場合は延長、PK戦となる一発勝負の大舞台。ゴールの前に立ちはだかるのは、浦和の強力DF陣だ。

 特にリーダー槙野とは日本代表でともに戦う。一方で弱点も熟知している。「(DF陣の)個々のレベルは高い。でも彼(槙野)はキャラ通り前線に出てくるタイプ。隙もあるので、いかに多くの隙を突いていけるかどうか」とイメージを描いた。攻撃的なDFだけに槙野が前に出ていけばスペースが生まれる。その穴を狙わない手はない。

 9月26日のリーグ柏戦で1得点を挙げて以来、公式戦で8試合無得点が続く。「次でしっかり取りたい。得点の意欲はチームで一番強く持ちたい」。今季の浦和戦はリーグ2試合で無得点だが、2月のゼロックス杯では1得点挙げた。「何回もやっている相手。チームで共通理解ができている」と2勝1敗の相手に苦手意識もない。

 今季ここまで代表戦含め公式戦60試合に出場。過密日程に苦しんだが、状態は回復傾向にある。「次の試合まで1週間空くことがずっとなかった。でも最近は準備期間があってやりやすい。コンディションも良くなっている」。長谷川監督は「いい準備はできた。あとは『今年のタイトルを取るんだ』という強い気持ちを(浦和より)持てるかどうか」。昨季の3冠王者はナビスコ杯は準優勝に終わったが、リーグと天皇杯でともに2連覇の可能性は残る。エースが運命の一戦に挑む。【小杉舞】