サッカーW杯アジア2次予選の日本戦で「神セーブ」を連発したシンガポール代表GKイズワン・マフムド(25)が2日、来季からJ2に降格する松本の練習に参加した。シンガポールと長野・松本市との約15度の気温差に苦しみ、DFのバックパスを空振りで失点という痛恨のミスもあった。それでもクラブ関係者からは好意的な声が相次いだ。

 練習を終えたイズワンは、肩を震わせた。頂が雪に覆われた山々を一瞬見てから「Very Cold」。シンガポールはまだ気温30度前後。この日の松本市は最高気温16度で、練習が終わった午後5時ごろは約11度。例年以上の暖かさでも、イズワンには未知の気候で、「寒さに慣れる必要がある。もっと早くウオームアップして、環境に慣れたい」。短い時間でアピールするため最善を尽くす。

 寒さはプレーに影響したのかもしれない。ミニゲームではDFからのバックパスに、右足を振り抜いたがまさかの空振り。失点となり「トレーニングはミスが付き物だが、反省して改善したい」と下を向いた。

 それでも反町監督の評価は高かった。「反応やクイックネスは一国の代表という片りんはある。(練習も)意欲的に取り組んでいた」とうなずいた。仮に契約に至れば、シンガポールからの経済効果も期待される。加藤副社長はイズワンとの契約について「プレーが第1なんだけど、確かにプラスアルファの部分を持っている」と、マーケティング効果にも触れた。5日の練習試合に出場予定。アピールの機会はまだ3日間残っている。【上田悠太】