東地区代表の鹿島ユースが、西地区代表のG大阪ユースを破って初優勝した。後半13分にMF田中稔也(18)が挙げた1点を、泥くさく守りきった。熊谷浩二監督(40)も男泣きだった。

 試合後、熊谷監督は田中を力強く抱擁した。「彼らが何をやってきたかプロセスを知っている」と感極まった。たたきこんだ球際の強さで、技術の高い選手がそろうG大阪ユースに対抗。スタッフやサポーター、関係者らに感謝を述べ「アントラーズスピリッツ、ファミリーの勝利だと思います」。選手たちに「お前ら最高だ」と叫んだ。リーグ戦では1試合平均失点は約0・6。この日も1試合平均2点以上の得点力のG大阪ユースをシュート5本に抑えた。

 決勝点の田中は7月の練習中に左足を骨折。全治3カ月だった。背番号10をつけるチームの中心だが、戦線離脱し、負い目を感じていた。しかし、最後に最高の恩返しができ「すごいうれしい」と満面の笑みだった。