引退を表明したINAC神戸MF澤穂希(37)が先発フル出場し、攻守に存在感を示した。残り少ない勇姿を見ようと駆けつけた3666人の前で奮闘し、2-0の勝利に貢献した。

 前半9分、澤の縦パスを起点にDF近賀ゆかり(31)のヘッドで先制点。後半1分にはFW高瀬愛実(25)のシュートがバーをたたくと、こぼれ球に必死に右足を伸ばしてシュート。後半終了間際にはMF川澄奈穂美(30)のCKをファーサイドの角度のないところから右足を振り向いた。惜しくも枠は外れたが「得点はもうちょっと後に残しているのかなと前向きにとらえています」。23日の準決勝仙台戦(等々力)や27日の決勝(等々力)での自身のゴールに意欲を見せた。

 試合後はINAC神戸だけでなく、AS埼玉サポーターからも「澤コール」が起きた。「女子サッカー界として応援してくれることは、すごく光栄なことですし、うれしく思います。一日でも長く、みんなと一緒にプレーしたい気持ちや、泥臭さ、ひたむきさは出せたと思う」と笑顔を見せた。