前線はどこでも任せろ! J2水戸から新加入のJ2山形FW鈴木雄斗(22)が26日、千葉・館山キャンプ7日目で軽快な動きを見せている。午前中は石崎山形名物の「砂場トレ」を行うなど連日、山形に順応しながら自らを追い込んでいる。鈴木は「J1にいける可能性のある山形でステップアップしたかった」と、明確なビジョンを描き、北上してきた。

 器用さと攻撃センスが評価され、完全移籍で加入した。1トップや本職の2列目に加え、左右両ウイングバックもできる。両足から放たれる正確なシュートと豊富な運動量が持ち味で、昨季は水戸でリーグ27試合6得点だった。「どこでも経験は積んできている」。システム3-4-3の5つのポジションをこなし、前線に厚みをもたらす。

 良血でもある。父康仁さん(56=現東京国際大GKコーチ)は元日本代表GKで、国際Aマッチに4試合出場した。康仁さんは柏でGKコーチを務めており、石崎信弘監督(57)とは06年から2年間、同じチームに所属した。鈴木は「親とも相談したけど、最後は自分で決めろと言われた。環境が4年間一緒だったので変えてみたかった」と自らの意志で、山形入りを決めたことを明かした。

 FWローザも加わり、組み合わせは多種多彩にある。石崎監督も「これからじゃろ」と含みを持たせた。鈴木は「使ってもらえるところでいいパフォーマンスを出す自信はある。楽しみ」と、前を見つめる。山形屈指のユーティリティーが、前線の定位置争いに殴り込みをかける。【高橋洋平】