J2清水は8日、今季主将にFW大前元紀(26)が就任すると発表した。鹿児島キャンプ9日目のこの日、2部練習を実施。大前は午後のゲーム形式練習で積極的に声を出すなど、チームの先頭に立って雰囲気作りに努めた。今季は1年でのJ1復帰を目指す特別な年。第13代主将となった大前は「目標は昇格じゃない。J2で優勝して、J1に戻ることがこのチームに意味があると思っている」と所信表明した。

 既にスカパー! ニューイヤー杯(3日開幕)で、2試合連続でキャプテンマークを巻いて先発出場した。J3鹿児島との初戦は2得点1アシストし、結果でもチームをけん引した。小林伸二監督(55)は、2日のセットプレー練習で大前がリーダーシップを発揮していた姿を見て決断したという。6日に主将就任を打診したといい、「チームとともに成長してほしい」と期待を寄せた。

 昨季の結果で、クラブは史上初めてJ2に降格。大前自身も移籍を考えながら、残留を決断した。13年8月にドイツ・ブンデスリーガのデュッセルドルフからJリーグに復帰した際も「戻るなら清水しか考えていなかった」と言った。普段、気持ちを前面に出すタイプではないが、誰よりもクラブに対する思いは強い。

 主将を務めるのは「小学生以来」というが、気負いはない。今季の目標は「ケガなく、42試合でキャプテンマークを巻いて出ること」と力強く話す。プロ9年目。エースで10番、主将となった大前が、強い責任感と使命を胸にチームを束ねていく。【神谷亮磨】