川崎FのFW大久保嘉人(33)が4年連続得点王への自信を示した。J1第1ステージは今日27日開幕する。昨季覇者の広島と川崎Fの一戦では、中山雅史(JFLアスルクラロ沼津)が持つ歴代最多のJ1通算157点に並ぶ広島FW佐藤寿人(33)と、156点で追う大久保が対決する。大久保は2年連続の開幕戦ゴールを狙い、今季終了時点で歴代最多得点のトップに立つと予告した。J1は昨季に続いて18クラブが2ステージ制、チャンピオンシップ方式で年間王者を争う。

 大久保が「連続得点王」の期待を受けて臨む開幕は3年連続になる。26日、川崎市内での練習を終え、4年連続への自信を問われると「ありますよ」と即答した。「言わないとダメでしょ。もう(連続と)言われるのは自分しかいないから」と自らに重圧をかけた。

 開幕戦から佐藤との通算得点争いに注目が集まるが、どちらが先に中山を抜くかは意識していない。あくまで照準はシーズン終了時の得点数。「今までのペースでいけば終わった時には(佐藤とは)十何点離れる。寿人さん(158点目は)お先にどうぞ」と余裕すら見せた。それでも「せっかくだから、おもしろくしたい」と2年連続の開幕戦ゴールへ意欲を見せた。

 佐藤とはU-18日本代表やC大阪でともにプレーした。佐藤の飛び出しのうまさを間近で見て「自分にはできない」と感じたという。長崎・国見高時代の恩師小嶺忠敏氏の「得意なことを伸ばせ」の言葉を胸にドリブルと決定力を磨いた。「得意なことは練習するし、そこで抜ければいいと。それが生きてますよね」と当時を懐かしんだ。

 得点王とともに狙うは初の優勝だ。「3年連続で個人タイトルを取って、チームタイトルを取れないのは何でかなあと思う部分はある」と本音を漏らす。練習後の円陣では「各自が、オレがやるという自覚を持っていこう」と思いをぶつけた。前日25日は胞状奇胎の闘病を乗り越えた妻莉瑛さんの33回目の誕生日。「点を取って勝つことしか考えてない」。妻へのプレゼントと、大きな目標への号砲となる1発を狙う。【岩田千代巳】

 ◆今季のJ1 昨季に続き2ステージ(S)制で、各Sは1回戦総当たり17試合。年間王者を決めるチャンピオンシップ(CS)は両Sの覇者が対戦する方式ではなく、年間勝ち点の上位3位と各S優勝チームで争う。最大で5チームが出場。1回戦と準決勝は1試合制で、決勝はホームアンドアウェー方式。年間勝ち点1位は決勝にシードされる。