浦和MF武藤雄樹(27)が先制ゴールで、チームに開幕勝利をもたらした。

 後半7分、MF李忠成のシュートをGKがはじいたこぼれ球にいち早く反応。一歩も動けない守備陣を横目に、楽々とゴールに流し込んだ。

 「反転した瞬間、これは打ってくると思って、前もってゴール前に詰めていた。なんとなくこぼれてくるイメージも見えた。必ず来るぞと思って飛び出した。あれが自分の特長だと思っているので」。

 生かせなかった決定機、そしてまぼろしのゴールを、一発で帳消しにした。試合開始直後には、MF遠藤の決定的なスルーパスに飛び出したが「タイミングが遅れた」とシュートに至らず。さらに前半31分には、右クロスをゴール至近距離で胸で押し込むも、柏GK中村にかきだされた。

 リプレー映像を確認しても、クリア前にボールがゴールラインを割っているようにも見えたが、ノーゴールと判定された。

 「僕は目の前で見ていたので、ゴールだと思っているんですけど、審判の方も人間なので仕方ない。むしろ僕がしっかりネットに突き刺していればよかったんです。負けてから『あれはゴールだった』と言い訳はしたくない、決めて勝ちたいと思っていた」。

 その通りにゴールを決め「決めてやろうという気持ちが強かったので、その分こちらにこぼれてきたのもあると思います」と満足げな笑顔をみせた。ゴール後には、駆け寄ったDF槙野の提案で、新パフォーマンスに挑戦。武藤が得点するとサポーターがお祝いにすしを食べる習慣にちなんだものだったが、こちらは微妙な出来に終わった。

 「槙野さんがすし食え、すし食えと。それでとっさにやったのですが、ちょっと未完成すぎたなと。おれが握るのか、おれが食べるのかも分からず…。槙野さんに『すしください』と言ったら、エアで握って渡してくれたので、食べたつもりなんですが。急にやりすぎた。自分たちでも何をやっているのか分からなくなった。完成度高めて、またやりたいです」。

 ともあれ、24日のアジアチャンピオンズリーグ初戦、シドニーFC戦に続く得点。チームを2連勝に導いた。今季から任された背番号9にふさわしい、得点源としての活躍に「いいスタート切ったし、何よりほっとしています。次も自信をもってプレーできます」。昨年は大ブレークでファンを喜ばせたが、今季もさらなる喜びをサポーターにもたらす。