現在8戦3分け5敗で、今季初勝利を狙うJ2山形が22日、アクシデントに見舞われた。今日23日の敵地岡山戦に向けて天童市内で行った最終調整内のミニゲームで、FW大黒将志(35)がDF韓浩康(22)と接触し、左足首を負傷した。スタッフに肩を担がれ、練習を途中離脱。岡山戦の欠場が濃厚となった。

 エース大黒が両手を膝について、苦悶(くもん)の表情を浮かべた。ミニゲームで韓浩康とゴール前で接触。負傷した左足は地面につくことができず、スタッフに肩を抱かれ、無言のまま練習場から引き揚げた。大黒の状態について石崎信弘監督(58)は「クラブハウスに帰らないと分からん」と話すしかなかった。

 前節17日の札幌戦で強行導入した4バックのシステム4-2-3-1は1トップに大黒を据えてこそ、輝く。MF伊東、MF汰木がスピードに乗ったドリブルで切り崩し、クロスを供給。ゴール前では、相手DFとの駆け引きがたけた大黒が仕掛けることで、得点機が拡大する。実際に札幌戦の先制点は、伊東の右クロスに大黒が前につめることで、GKのこぼれ球を誘発。汰木が冷静に押し込む理想的な形での得点だった。

 低迷するチームを襲った、まさかのアクシデント。しかし、“大黒”柱不在は、チーム全員でカバーするしかない。システムは変更せず、1トップの代役には大黒と同じく裏に抜けるタイプのFWローザが入りそうだ。18日のJ3盛岡との練習試合では1トップで出場し1得点しており「試合に出られるならどこでも」と気合が入る。

 引き続き4バックで臨む以上、両サイドハーフの伊東、汰木のドリブル突破が攻撃の生命線となる。2戦連発を狙う汰木は「積極的に仕掛けていく。欲しいのは内容じゃなく、結果だけ。勝ち点3を絶対に持ち帰る」と意気込む。8戦未勝利で暫定21位。苦しい状況が重なったが、新戦力が台頭してきたのも事実だ。ここは前を向いて、乗り越えるしかない。【高橋洋平】