6連勝で首位キープ! J2札幌は山口を3-1で下した。前半3分にFW都倉賢(29)のPKで先制すると、同8分にFW内村圭宏(31)がヘッドでの3戦連発で2点目、同34分にはMFジュリーニョ(29)が3点目を決め突き放した。前回J2優勝した07年以来9年ぶりの6連勝かつ10勝一番乗り。14戦10勝2分け2敗で、勝ち点を32に伸ばした。

 どうしても欲しかった「2点目の壁」を13番がこじ開けた。1-0の後半8分、MFマセードの右クロスをFW内村がヘッドで合わせゴール左に突き刺した。「こういうボールをくれ、というクロスが来た。あのボールで決まった」。ゴール後は、内村を中心に歓喜の輪ができた。

 前節讃岐戦まで1-0での5連勝だった。「攻撃の選手が1点じゃ物足りない」。そう言い続けてきたFW最年長が、3月26日京都戦以来9戦ぶり複数得点での勝ち点3に貢献した。しかも都倉、ジュリーニョと初の「3枚刃」そろい踏みに「みんなで取れたのはでかい。これで勢いづく」と手応えを口にした。

 連続得点は13年の4戦連発も、3試合連続ヘッドでの得点はプロ初となった。「いいところに入れているからボールをもらえている」。15日、水戸戦はゆっくり走りながらペナルティーエリアに入った瞬間に加速してマークを外した。22日讃岐戦は、DFが右の都倉を意識した瞬間、そのDFの背後にするりと入り込んだ。今回は、DFの手前に入る動きを1回入れてから、くの字に折れてゴール前に入り、裏を取り、完全にフリーになった。

 マークを外す抜群の勘と「うなじ改革」が奏功した。今季、美容師のすすめで襟足と側頭部を刈り上げてみた。「首の毛が多いから刈り上げた方がすっきりする」。暑がりで汗かきな体質を考慮したアドバイスが、首筋にたまる汗のストレスを解放した。爽快になった首をフル活用してのヘッド3連発だった。

 自身7戦5発、6連勝も「うれしいけど1試合1試合のつもりでやってきたし、まだ先は長い。また次の1試合という感じで集中したい」と油断はない。まず10勝到達。老けない31歳はJ1昇格へ、まだまだゴールを積み重ねる。【永野高輔】