ドイツ1部アウクスブルクから獲得の申し入れを受けているG大阪のFW宇佐美貴史(24)が、今月中にも移籍が正式決定する可能性が9日、高まった。関係者によれば、交渉は大詰めを迎えており、代理人とG大阪側とで移籍金などの細部を詰める段階に入っている。G大阪の幹部は「条件さえクリアしてくれれば、本人の意思を尊重する」との方針を示した。

 J1の第1ステージは25日名古屋戦(吹田S)が最終節で、翌週の7月2日には第2ステージが開幕する。今月中にアウクスブルク移籍が決まれば、宇佐美にとっては名古屋戦がG大阪で最後の公式戦になる。早ければ、欧州の各クラブが来季に向けた合宿をスタートする7月上旬にも渡欧し、新天地に合流する。

 この日、G大阪長谷川監督は「24歳という年齢を考えても、チャンスがあるなら、より厳しい世界でやるのはプラスになる。貴史の移籍が決まれば大森、阿部らが頑張ればいいだけ」と、あらためて欧州移籍に理解を示した。

 宇佐美は去就について言及することはなかったものの、代表で臨んだキリン杯を振り返り「個の成長は、チームの成長になる。もっと成長しないといけない」と語った。ホッフェンハイムを退団した13年6月以来、3年ぶりの欧州移籍決定は間近に迫りつつある。

 ◆アウクスブルク ドイツ・バイエルン州アウクスブルクを本拠地とする中堅クラブ。かつてMF細貝も在籍。5月終了の15-16年シーズンは12位。11-12年から1部昇格して丸5年。1部での優勝経験はまだなく、最高順位は14-15年の5位。