クラブ初の2カ月連続月間MVPに照準! J2札幌FW内村圭宏(31)が14日、5月のJ2月間MVPに初選出された。5月は全4試合に出場し、15日水戸戦から28日山口戦までヘッド3連発で、首位キープに貢献。最近2戦無得点も、19日の次節は過去、出場7戦5発と相性の良い北九州だけに、ここから再び量産態勢に入り、2位との勝ち点差を広げにかかる。

 “ふた休み”した13番が6月残り2戦で猛ラッシュをかける。自身初の月間MVPも、あくまで昇格への通過点だ。「受賞はうれしい。でも、これを機に、また結果を出し続けていかないと。ここからが大事」と前を見据えた。昨年6、7月と連続月間MVPを受賞した家長が在籍する大宮は、J2を制覇した。史上2人目の連続月間MVPで、J1への勢いを呼び込む。

 5月15日水戸戦から6月4日千葉戦まで、自身のクラブ記録に並ぶ4戦連続ゴールを決めた。そして6月8日松本戦、13日長崎戦と2試合無得点。3年前に4戦連発した後も、2試合無得点の後、再度4戦連発と畳みかけた。連戦が終わり、中5日と休養十分で臨める19日北九州戦へ「間隔が空く分、疲れも取れるし、もっと動けるようになる」と手応えを口にした。

 仕切り直しには絶好の相手だ。「イメージは良いし、しっかり結果を出したい」。対北九州は昨年、一昨年と2年連続得点するなど、過去7戦で計5ゴール1アシストと爆発してきた。札幌移籍後、計25チームから得点を奪う中、同じ対戦相手からの5得点は、千葉、岐阜戦に並ぶ最多タイ。年度が替われば相手選手も入れ替わるが、点取り屋にとって対戦する際の印象は、嗅覚を呼び覚ますための、きっかけにもなる。

 19日は、クラブとして、赤いハンカチ付きの「父の日チケット」が販売される。昨年11月に第1子となる長女花咲(かえ)ちゃんが生まれた。父親として初めて迎える父の日。クラブからハンカチ、新米パパ内村からは、本拠札幌ドームでの豪快な1発が、贈り届けられる。【永野高輔】

 ▼Jリーグ選考委員会による総評 5月に行われた全4試合に出場し、リーグ1位タイとなる3ゴールをマーク。満場一致での選出となった。特に第13節および第14節はどちらも1-0というスコアの中、両試合ともヘディングシュートで決勝点を決めたことから、シュートポイントに入る勘の鋭さと勝負強さは明治安田生命J1リーグで3年連続得点王を獲得した大久保嘉人(川崎F)をほうふつとさせる。4月後半よりスターティングメンバーとしての出場が増加してからはコンスタントに得点を重ね、首位をひた走るチームの原動力となっている。

 ◆月間MVP 13年に制定されたJリーグ公認の月間賞で、サッカー関連メディアと、Jリーグ(原博実副理事長、中西大介常務理事、松永英機育成ダイレクター)、平野孝氏(サッカー解説者)からなる選考委員会が審査、選考する。受賞者にはJ1は30万円、J2は20万円が贈られる。札幌は昨年5月にFW都倉が受賞しており、内村が2人目。