磐田は、ホームで仙台に3-0で勝利し、リーグ戦4試合ぶりの白星をつかんだ。前半24分、MFアダイウトン(25)の先制点を皮切りにゴールを重ねた。守っては今季2試合目の完封。名波浩監督(43)は練習態度の悪かったエースFWジェイ(34)を外し、大きな勝ち点3を手にした。チームは前節の12位から8位に浮上し、第1ステージを終えた。

 チームが1つになった。前半24分、DFパパドプーロス(31)の守備からカウンター攻撃へ。MF宮崎智彦(29)が左サイドのアダイウトンへパス。スピードに乗ったドリブルでゴール前まで突破すると、左足でシュートを放った。ボールは相手GKの足に当たり、ゴールネットを揺らした。先制点だ。アダイウトンにとっては7試合ぶりの今季3点目。名波監督もガッツポーズで喜んだ。

 同38分にはMF小林祐希(24)の絶妙なスルーパスから、MF太田吉彰(33)が豪快なミドルシュートを決めた。古巣相手にチーム2点目を奪った太田は、ベンチへ駆け寄り、名波監督と喜びを分かち合った。

 リーグ戦4試合ぶりの得点が前半から生まれた。22日の練習態度が悪かったFWジェイは、ベンチ外。3戦勝ちなしの厳しい状況で名波監督は「個の力」より「チームの和」を重視し、エースを外す厳しい措置を取った。その中での得点で、選手、スタッフ、サポーターのテンションはグッと上がった。

 勢いは止まらなかった。後半19分、最終ラインまで戻って守備をした小林からのロングボールを、前線に走ったアダイウトンがコントロール。相手DFを振り切って右足で決め、ダメ押しの3点目。仙台に攻め込まれる場面もあったが、3試合連続先発のGK志村滉(20)が安定したセーブを続けた。

 前節まで4連勝していた仙台を止め、今季2度目の完封勝利を飾った。名波監督が「今季を占う大事なゲーム」と言った一戦を制し、勝ち点を23に伸ばして第1ステージを終了。価値ある団結の勝利になった。【保坂恭子】