J2札幌MF荒野拓馬(23)が4日、リオデジャネイロ五輪に出場するU-23日本代表にエールを送った。サッカー五輪代表は日本時間の今日5日、ナイジェリアと初戦を行う。世代別代表として戦ってきた仲間に向け「みんな一緒にやってきた同士。出られなかった僕の悔しさを、メダルを取って晴らしてほしい」と期待した。

 直前でエース久保の招集断念。トラブルを抱え船出する同代表だが、荒野は心配していない。代わりに登録されたFW鈴木武蔵(22=新潟)は、14年の仁川アジア大会、オマーンでのU-22アジア選手権で、ともに戦った戦友だ。技術以上に精力的に走り回り、体をなげうってチームに尽くすタイプ。窮地になるほど爆発する可能性は高く「こういうのは巡り合わせ。武蔵には何としても点を取って、勝利に貢献して欲しい」とハッパを掛けた。

 手倉森ジャパンでは14年1月の発足から名を連ね、札幌ではMF登録も、同代表では主にFWとして招集されてきた。FWでの出場18試合は鈴木、浅野に次ぐ3番目。それだけ貢献していたが、昨年12月の五輪アジア最終予選メンバー落選以降、1月の沖縄合宿中の恥骨亀裂骨折と不運が続き、夢は途絶えた。悔しい思いが強いからこそ「みんなにはリオで何かを起こしてきて欲しい」と願った。

 自身は7月20日松本戦が左MF、25日岐阜戦はボランチ、31日山口戦がトップ下と変幻自在に活躍し、3連勝、首位キープに貢献している。「自分も負けずに札幌で頑張りたい」。五輪メダルは仲間に託し、J1という、もう一つの夢にまい進する。【永野高輔】