DF大野和成(27)が鳥栖の元日本代表FW豊田陽平(31)を封じて、チームを今季初の2連勝に導く。新潟は今日27日の第2ステージ(S)第10節、鳥栖とアウェーのベストアメニティスタジアムで対戦する。センターバックの大野は今季の公式戦2度の鳥栖戦で豊田とマッチアップ、無得点に抑え込んでいる。チーム2試合連続無失点勝利を目指す。

 淡々とした表情の大野が激しい当たりで、ボールを奪う。そしてシュートを防ぐ。鳥栖戦に備えた今週の試合形式で、大野はハードで的確な守備を見せ続けた。「ラインをずるずると下げない。前線の選手を動かして、狙いを絞って守る。それを続ける」。前節福岡戦は3-0の快勝。そこでつかんだ守備のリズムを、センターバックの自分が鳥栖戦でも継続する。

 個人的な使命もある。「自由にさせたら、やられてしまう」という豊田のマークだ。今季リーグ戦第1S第17節(1-0の勝利)、ナビスコ杯予選第2節(同)と最少失点で振り切った2試合で、豊田とマッチアップ。ナビスコ杯でシュート1本を許しただけで、無得点に抑えた。

 秘策があるわけではないが、「いい位置に入らせない。クロスは先に飛ばさせない」と、とにかくマークを外さずに食らいついていく覚悟だ。185センチ、79キロの豊田の屈強な体に、180センチ、75キロの自身の肉体をぶつけ続けることで、相手に嫌な印象を与えることはできている。「試合中、豊田さんはブツブツ言っているんです。聞かないようにしていますけど」。

 リオ五輪は就寝前にテレビ観戦した。最も印象的だったのが、テニス男子で銅メダルを獲得した錦織圭(26)。2時間53分の熱戦の末、2-1で制した準々決勝のガエル・モンフィス(フランス)との一戦を見た。「すごい試合。鳥肌が立った」。錦織並みの粘りの守備を、鳥栖戦でと意気込む。「前半、0-0ならいける」。勝ち点3を新潟に持ち帰るイメージはできている。【斎藤慎一郎】