J2清水は今日25日、アウェーで松本と対戦する。2位の松本とは勝ち点4差。直接対決で勝ってJ1自動昇格への可能性を広げるために、FW鄭大世(32)が4戦ぶりのゴールを狙う。

 鄭が1年間の思いをぶつける決意だ。24日は静岡市内で非公開練習に参加。J1自動昇格圏の2位以内に入るためには、絶対に負けられない一戦。エースは高ぶる気持ちを抑えるように意気込みを語った。

 「1年で一番大事な試合。気合は入るけれど、冷静さが大事。冷静にやればアイデアも出てくる」

 平常心にこだわるには理由がある。昨年10月、J1残留を懸けた直接対決で松本に敗戦。鄭は相手の執拗(しつよう)なマークにいら立ち、前半終了間際に警告を受けた。累積警告で出場停止となった次の仙台戦でもチームは敗れ、J2降格が決定。昨季で最も大事な試合に出場できなかった悔しさは忘れていない。

 現在、鄭は警告3枚で、あと1枚で出場停止が決まる。松本戦の翌週は3位C大阪との直接対決。状況は昨年と同じだが、今年は昨年以上の覚悟で臨む。「落ち着いてやる。余分なことはしない。とにかく先制点が大事だと思う」。

 気持ちは熱く頭はクールに-。勝利のためだけにエースは淡々とゴールを目指す。【神谷亮磨】