昇格は30日熊本戦以降に持ち越し-。J2札幌は愛媛に2-2で引き分けた。FW内村圭宏(32)が前半26分に先制点。1-1に追い付かれた直後の後半28分にMF中原彰吾(22)のJリーグ初得点でリードも、再び追いつかれた。敵地で5戦勝ちなしとなったが、勝ち点1は上積み。23勝9分け4敗、勝ち点78に伸ばし首位をキープした。自動昇格対象3位C大阪とは勝ち点11差で、次節での昇格決定はなくなったが、30日アウェー熊本戦での2位確定が見えてきた。

 最後までチャンスを追ったが、勝ち点3には届かなかった。後半ロスタイム3分、FW都倉のシュートがポストに当たった跳ね返りをFW菅が左足ボレーで狙うもシュートはGK正面。終了のホイッスルが鳴ると、好守を続けていたGKクはゴールポストを2回蹴り悔しさを、あらわにした。

 2度のリードを守れなかった。1-0の後半27分、DF背後へのロングボールから失点し。1分後に中原のゴールで2-1も、その5分後にセットプレーからのこぼれ球を押し込まれ勝ち点2を失った。「1点目はコミュニケーションの点。2点目はこぼれ球への寄せ。しんどい時に1歩出て行くこと。次、同じことにならないよう改善したい」とDF増川。反省を生かし、次節の勝利につなげる。

 敵地5戦勝ちなしも、首位はキープ。四方田監督は「気力を振り絞っての勝ち点1。ポジティブにとらえたい」と前向きに話した。前節決勝点のFWヘイスが左太もも裏痛で離脱し、22歳のMF神田を今季初めて先発起用。後半18分からは神田に代わりMF中原が途中出場しJ初得点を挙げた。「夢実が先発。同期には負けたくなかったし、出たら何としても点に絡もうとこだわった。勝てれば最高だったけど、自分には次につながるゴール」と若い力が競い合いアピールした。

 前回J2制覇した07年もMF石井や西ら、ユース育ちの若い戦力がリーグ終盤の勝負どころで途中出場し、点を挙げ、昇格のキーマンになった。歴史は繰り返すもの。中原は「(西)大伍君みたいに少ない時間でも結果を出し、もっと高いレベルでやれる選手になりたい」と気を引き締めた。

 四方田監督が下部組織から鍛えてきた教え子が、徐々に力を出し始めた。次節昇格はなくなったが、カウントダウンは着実に進んでいる。ベテランから若手までチーム全員で刺激し合い、最後のひと踏ん張りにつなげる。【永野高輔】

 ◆札幌昇格の行方 首位札幌勝ち点78、3位C大阪67、4位清水66。30日熊本戦で札幌の2位以内が確定するのは以下4パターン。

 <1>札幌が次節東京V戦から2連勝の場合 勝ち点84に伸ばし、3位C大阪と4位清水がそろって1勝1分け以下。

 <2>札幌2戦1勝1分けの場合 勝ち点82に伸ばし、3位C大阪2分け、4位清水1勝1敗以下。

 <3>札幌2戦1勝1敗の場合 勝ち点81に伸ばし、3位C大阪1分け1敗、4位清水1勝1分け以下。

 <4>札幌2戦2分けの場合 勝ち点80に伸ばし、3位C大阪2敗、4位清水1分け1敗以下。