東京DF太田宏介(29)が、欧州帰りのプライドでリーグ初優勝に貢献する。宮崎・都城合宿4日目の7日、今日8日の練習試合FCソウル戦に向けてセットプレーを確認。キッカーの大半を太田が務めた。篠田監督の「宏介の(キックの)軌道を思い出そう」の掛け声を合図に、高精度のボールを供給。FKではアシストも得点もマークした。

 「帰ってきた男」はC大阪の清武だけではない。太田もオランダ1部フィテッセから1年ぶりにJ復帰。昨年末までリーグ5試合連続フル出場と定位置をつかんでいたが「『オランダに残ってくれ』と評価もされたけど、それ以上に東京が評価してくれた。国内復帰するとネガティブな印象も持たれがちだけど、キヨ(清武)と、動ける時に帰ってきた身としてJリーグを盛り上げたい」。清武と同じく20年夏まで契約が残っていた中、チームが多額の完全移籍金を投じて買い戻してくれたことも共通。「自己満足で終わらず、結果を残す」と感謝で燃える。

 海外挑戦前の15年、DF登録選手としてJ史上最多の13アシストを記録した太田が戻ってくれば、昨季リーグ10位タイの39得点に終わった東京のゴール増は間違いない。新加入のFW大久保嘉も高く評価する左足で、首都クラブを初の頂点に押し上げる。【木下淳】