暗雲を吹き飛ばせ。熊本で2次合宿中の札幌は14日、熊本県民総合運動公園補助競技場で、第2クールをスタートした。この日から、昨季チーム2位の12得点を挙げたMFジュリーニョ、MF前の2人が全体練習から外れ、別メニュー調整組が10人に。約3分の1の選手が離脱する事態となり、四方田修平監督(43)は「ケガ人の復帰が(開幕まで)残り10日のポイントになる」と、危機感を強めた。

 開幕へのカウントダウンを直前にして、故障者が後を絶たない。沖縄1次合宿から順調にトレーニングを積んでいたジュリーニョだったが、12日の練習試合で左ふくらはぎを負傷。前は左足首を痛め、途中交代していた。ジュリーニョの離脱により、右ふくらはぎ痛のFWヘイス、左アキレスけん炎症のMFマセードと、J1昇格の原動力となったブラジル人トリオを欠いた状態だが、四方田監督は「重傷じゃないので」と不安を一掃。「どうか、ぎりぎり(間に合う)っていうところだが、筋肉系なので」と慎重に言葉を選んだ。

 明るい兆しも、ある。12日の練習試合では、左サイドの要となるDF福森が実戦復帰。体調不良で静養していたMF石井やFW菅も、近日中に合流の見通しだ。1月中旬から始まった長期合宿も、いよいよ佳境を迎え「選手にはリフレッシュした状態で練習が出来るよう、気を使っていきたい」と指揮官は言う。目配せを怠らず、ラストスパートを仕掛ける。【中島宙恵】