新天地デビュー戦となるジュビロ磐田のMF中村俊輔(38)が「ワクワク感」をあふれさせた。25年目のシーズンを迎えるJリーグは今日25日、明治安田J1の8試合で開幕する。J1は3季ぶりの1シーズン制で、12月の最終節まで年間の勝ち点で優勝を決める長丁場となる。各チームは24日、リーグ初戦に向けて調整。横浜F・マリノスから移籍した中村俊はアウェーのセレッソ大阪戦(ヤンマー)に万全の状態で臨む。

 準備は整った。磐田市内のグラウンドでの最終調整。MF中村俊は、チームメートとパス交換しながら笑みを浮かべていた。約1時間、軽めのメニューで開幕戦への準備を終えると素直な感情を口にした。「開幕戦ということよりも、ジュビロで初めての試合というワクワク感の方が大きい」。前日23日の紅白戦では主力組のトップ下でプレー。先発は確実で、その表情には期待感があふれていた。

 昨季はけがに苦しんだが、新天地で迎えた今季は1月14日の始動から離脱はなし。18日間の鹿児島キャンプを通じて、フルメニューを消化してきた。23日の全体練習後に行ったFKの練習でも、30本中21本をゴールの枠内に飛ばし、9本を成功させた。J1最多22得点の記録を持つ“宝刀”の好調ぶりも印象づけた。「今のところ(調整は)順調。準備は整っていると思う」と、手応えを口にする。

 昨季、磐田は8勝12分け4敗で年間13位に終わった。上位進出を掲げるチームから託された背番号は、過去2年間空き番号となっていた「10」。その期待を感じつつ決意を語った。「何をもって良いシーズンかといえば、プロである以上、順位。ジュビロが次のステップに行くために、自分に何ができるのか。それを1シーズン通してやって、チームも個人もレベルアップできればいい」。

 慣れ親しんだ横浜を離れ、新たな挑戦を始めたプロ21年目のシーズンがいよいよ幕を開ける。【前田和哉】