清水エスパルスとジュビロ磐田。4年ぶりに2チームがそろったJ1が今日25日、開幕する。清水はホームでヴィッセル神戸と、磐田はアウェーでセレッソ大阪と対する。シーズンを占う開幕試合を前に24日、磐田の名波浩監督(44)は、相手の弱点を見抜いたことを口にし、敵地で勝ち点3を狙う姿勢を示した。

 快晴の磐田・大久保グラウンド。名波監督も笑みを浮かべながら、練習を見つめていた。恒例のリラックスゲームで準備を終えると、前向きな言葉を並べた。

 「仕上がり? いいんじゃない。練習の会話や質、態度。居残り練習も含め、こんなにストレスのない開幕はない。監督になってから一番良い」

 J1復帰1年目の昨季は、8勝12分け14敗で年間13位に終わった。だが、今季は元日本代表のMF中村俊輔(38)FW川又堅碁(27)らを獲得。鹿児島キャンプでは、既存メンバーとの「融合」を慎重に進めた。「特に守備の部分では連係が良くなっているし、攻撃面でもプラスアルファが見えてきた」。

 対するC大阪には、日本代表MF清武弘嗣が復帰。開幕試合の負傷欠場は決まったが、日本代表MF山口蛍、元日本代表FW柿谷曜一朗らタレントがそろい、強敵には違いない。それでも、名波監督は「組織に穴がある」と相手を分析。詳細については「言えない」としたが、「ダブルボランチの位置で数的優位を作れば、簡単にプレッシャーには来られない。何度か無理してでも前に運ぶ、縦パスを刺す。その場面を逃さないことが大事」とポイントを挙げた。

 昨季の開幕試合は、名古屋に0-1で敗れた。今月19日、この試合をVTRで振り返った名波監督は「オープニングゲームに対して強い気持ちを持たなければいけない。1試合で『今年の磐田はこれだ』と強調するのはなかなか難しいけど、何か違うな、完全な(優勝争いの)アウトサイダーではないという空気感を出せれば。完全アウェーの中でも勝ち点3、最低でも1を取りたい」と言った。

 就任4季目。指揮官は開幕から最高のタクトを振る決意だ。【前田和哉】