湘南ベルマーレの曹貴裁監督(48)は、2月26日の水戸ホーリーホックとの開幕戦で起用しなかったメンバーの動きについて「調子を上げている」と評価した。

 また、16年8月13日の広島戦で負傷し、右半膜様筋腱剥離で全治約6か月と診断された端戸仁(26)が実戦復帰を果たし、後半9分にゴールを決めるなど、約29分間、プレーしたことについても「非常にチームにとってポジティブ」と歓迎した。

 試合後の主な一問一答は、以下の通り。

 -試合の総括は

 ミッドウィークには、今後も何試合か入れていこうと思います。ケガから上がってきた選手のコンディションの把握とか、この間、出場しない選手が中心になりましたけど、おおむねアグレッシブにプレーしてくれたと思う。週末の試合にチーム全員で戦っていく準備が出来た。

 -水戸ホーリーホック戦後「馬入(練習場)で残っているメンバーを含め(主力に)続く選手が出てきてもらいたいなとも思う」と語ったが、その成果は

 状態が良くても、チーム戦術とか相手の出方によっては選べない場合もあるという意味においては、明らかに18人のメンバー以上に調子を上げているヤツが多いなという気はしましたし、その中で次のザスパクサツ群馬戦(4日、ホーム開幕戦)に誰を選ぶのがいいのか、しっかり考えて責任を持って決めたい。

 -端戸選手が実戦復帰し、ゴールも決めた

 去年、彼の不在がチームのパフォーマンスに影響したのは間違いないと思うので、今日、点を取っていい形でケガなく終われたことは非常にチームにとってポジティブですし、何より彼の復帰をチームメートも望んでいたと思うので、また切磋琢磨(せっさたくま)してやってほしい。

 -MFシキーニョ(27)はどうか? 日本語で仲間に声掛けするなど前向きだが

 だいぶ、スピード感が上がってきて、まだちょっと日本のサッカーに合っていないところがありますけれど、戦力になってくれるんじゃないかなという感じはします。ブラジルと日本のサッカーの質は、全然違うので戸惑いもあったでしょうけど、前向きにやってくれている。公式戦も見て、うちのチームがやらなきゃいけないことは分かったと思う。その中で、スピードがある選手なので、生かしてくれればと思います。

 -FW宮市剛(21)も2点取った

 もう少し、チームの戦術の中でフィジカルを上げるとか、イージーミスをなくすという課題はありますけど、ミスしても次、次という形でトライしていければ成長してくれると思う。(15年にJ2水戸、16年にJ3鳥取でプレーして)いない間にチームの立ち位置も上がってきて、J1でやれる選手も増えてきている。彼もレベルの差を相当、感じているはず。ここからですよね。彼以上のレベルの選手がいると、彼が認識するのが大事で、自分の中で高いハードルを持たないと追いつけ、追いつけできないと感じることが全てだと思う。

 -水戸ホーリーホック戦後、引いて守ってばかりではダメだという趣旨の発言をした。それを受けた選手の、今週の様子はどうか

 ズルズル下がって守りきれるようなリーグじゃなかったし、相手のミスを待っているのじゃなく、自分たちから能動的に…前から行くことが全てじゃないんだけど、そういったものを、どれだけ継続できるかというのが、チームにとって大事だということは、彼らも分かっていると思います。

 -ホーム開幕戦に向けて

 前節の課題も含めて、よりアグレッシブにやっていくのが我々の良さだと思うので、目の前の対戦相手に、しっかりエネルギーを持って戦っていくというのを続けていくことが大事だし、それだけだと思います。

 水戸ホーリーホック戦で得た反省、課題の修整と、同戦に出られなかった選手たちの好調ぶりを語る曹監督の口調は、冷静ながらも充実感がにじんでいた。【村上幸将】