川崎フロンターレは、アウェーで女性指揮官が率いるイースタン(香港)に引き分けた。前半13分にDF奈良竜樹(23)がPKを与え一発退場。10人で逆転を狙ったが、MF板倉滉(20)のプロ初ゴールで追いつくのがやっとだった。Jリーグ開幕の大宮戦から先発10人を入れ替えるターンオーバーで臨んだ初出場の相手との一戦で、辛うじて勝ち点1を手にした。

 アウェーの戦いは甘くはなかった。前半13分。DF奈良がペナルティーエリア内でFWブレダを倒したとして退場処分を受けた。このPKをブレダに決められ、先制を許した。川崎Fは連戦をにらんで先発を10人入れ替えた上、司令塔MF中村と大島、家長はベンチからも外しており、序盤からチームの底力が試される戦いを強いられた。

 救ったのはU-20日本代表の板倉だった。後半7分、MFハイネルがゴールを背にして送った浮き球にスライディングしながら右足に合わせ、同点。川崎Fユース時代からセンターバック、ボランチを主戦場にしたが、「小学時代はFWでフロンターレのセレクションでは得点王だった」と自負する元ストライカーの嗅覚でネットを揺らした。

 鬼木監督は逆転を狙ってMF田坂、エースFW小林らを投入。好機をつくったが決められなかった。ロスタイムにはハイネルが2枚目の警告で退場し、最後は9人で何とか勝ち点1は手にした。鬼木監督は「アウェーではあるが、勝ち点3を狙いに行ったので非常に残念。早めに1人いなくなってしまったことが影響した」と悔しさをにじませた。

 イースタンは女性監督として注目される28歳の陳婉■氏が率い、初出場。初戦で広州恒大(中国)に0-7で大敗したが、川崎Fが初得点、初勝ち点を献上する形となった。2試合を終えて勝ち点2の鬼木監督は「ここから勝ち続けるしかない」と必死に前を向いた。

※■は女ヘンに亭