鹿島アントラーズの日本代表DF昌子源(24)が、ブンデスリーガのブレーメンの今夏補強候補にリストアップされたことが23日、分かった。昨年12月のクラブW杯決勝で、レアル・マドリード(スペイン)FWロナルドと真っ向勝負を演じるなど、1対1の強さを高く評価。今月上旬に試合を視察した強化担当者が4月にも再来日してプレーを確認し、獲得オファーの最終決断をする意向だ。

 ブンデスリーガを4度制した名門ブレーメンが、日本代表の次期DFリーダー昌子の来季獲得に興味を示した。同クラブ関係者は「1対1の強さがあり、パスを出すセンスもある頭のいい選手。高く評価しています」。昨季、鹿島を7年ぶりのJリーグ王者に導き、ベストイレブンに輝いた実績が世界から認められた。

 クラブW杯で準優勝。Rマドリードとの決勝で強力攻撃陣に堂々と立ち向かう姿がバウマン強化責任者らの目に留まった。05年から強化担当を務める「オッツェ」ことオルデネビッツ氏が、10日の鹿島-横浜戦(カシマ)を視察。「複数の選手に興味はあるが、決めるのは上層部」と話すにとどめたが、帰国後にバウマン氏らと協議した結果、昌子に一本化したようだ。

 市原(現千葉)で94年J得点王の経験を持つオッツェ氏は「日本人は最後までよく走り、努力するところがドイツ人と共通だから」と、日本人がドイツで活躍できる理由に言及。ブレーメンは日本や中南米の若手、中堅選手の補強に重点を置いているとも明かした。12年にはMF清武の獲得に動くなど、今後も日本代表クラスを継続してチェックしていく。

 ブレーメンは守備の不安定さから、4季連続2ケタ順位。現在もリーグワースト3位の44失点で、13位と低迷中だ。今季は4バックと3バックを併用。センターバックは身長192センチのセネガル代表サネ、31歳フィンランド代表モイサンデル、U-21(21歳以下)セルビア代表ベリコビッチらを起用している。オッツェ氏らは4月中にも再び視察予定。最終確認後、今夏の正式オファーとなる可能性は高まった。

 昌子は海外移籍に関し「さらに自身を磨くための1つかもしれないが、まずは日本代表で定位置を奪うこと」と目標を定める。鹿島関係者にとっても「簡単には手放せない選手」。C・ロナルドを止めた男の、飛躍に注目が集まる。

 ◆昌子源(しょうじ・げん)1992年(平4)12月11日、神戸市生まれ。元神戸ユース監督の父力さん(姫路独協大監督)の影響でサッカーを始める。フレスカ神戸-G大阪ジュニアユース-米子北高を経て11年鹿島入団。J1通算111試合6得点。16年ベストイレブン。日本代表では15年3月31日の国際親善試合ウズベキスタン戦でデビュー。昨年10月に結婚。182センチ、74キロ。血液型AB。