売り出し中の若手、柏レイソルMF手塚康平(21)が決勝点を挙げた。前半10分、ゴール前の右寄りの位置からFKを直接決めた。これがリーグ戦プロ初得点になった。

 「壁に当たらないように気をつけた」。慎重に左足で蹴ったボールはゴールマウス右隅に収まった。その直後、手塚はチームメートに一斉に囲まれて笑顔に。

 FWクリスティアーノ(30)が倒されて、もらったFK。「クリスが蹴ろうとしていたけど、『蹴らせてくれ』と言ったら譲ってくれた」。もともと練習では右サイドのFKを手塚が蹴ることが多かった。あらためて自己主張したことで手にした機会。譲ってくれたクリスティアーノの期待にもこたえられた。

 柏に所属して2年目の今季、成長ぶりを見せている。公式戦プロデビューを果たした3月のルヴァン杯清水戦では、初得点を決めた。リーグ戦では5試合目の出場でうれしい初ゴールになった。

 それでも「FK以外は何もしていない。守備でもっと貢献しなければ」。浮かれることなく、気を引き締めた。