アルビレックス新潟は呂比須ワグナー新監督(48)の初陣を勝利で飾り、今季ホーム初勝利で連敗を4で止めた。ホームでの勝ち点3は、昨年8月20日の福岡戦以来273日ぶり。大宮アルディージャが敗れたため、最下位を脱出し、17位に浮上した。

 呂比須監督は「狙い通りの形で得点できた」と、FWホニ(22)の決勝点を喜んだ。後半21分、DF富沢清太郎(34)のスルーパスをホニが受け、左サイドから内に切れ込んでシュート。相手のCKの乱れからボールを奪い、カウンターを決める流れだった。ホニが「練習してきたプレー」と言うように、札幌戦に向けて繰り返してきた形にはまった。

 三浦文丈前監督(46)が11日に辞任。同日に呂比須監督が就任し、16日から練習に合流。わずか5日目に迎えた初戦のテーマは「負けないこと、自信を取り戻すこと」(呂比須監督)だった。

 この日は自陣で守備を固めてカウンター攻撃に徹し、失点を防いだ。その中で、呂比須監督は「新潟らしくアグレッシブにやる」ことを重視した。果敢にシュートを狙った選手には、たとえ外れも拍手を送った。1対1の守備で体を張った選手も、大声で称賛した。

 「気持ちでは絶対に負けない。選手がそれを見せてくれた」。求めていた精神面の強さを選手が発揮したことを評価した。そして「これを続けていかなければならない」。J2降格圏脱出へ気を引き締めた。