川崎フロンターレが敵地でムアントン(タイ)を3-1で下し、ベスト8進出へ大きく前進した。0-1の後半21分にMF中村憲剛(36)の左足シュートで同点に追いつくと、直後の24分にエースFW小林悠(29)の右足ボレーで勝ち越し。後半44分にはMF阿部浩之(27)のダメ押し弾が決まり、今季初の逆転勝利となった。3つのアウェーゴールを持ち帰り、30日にホームで再びムアントンと対戦する。

 湿度79%、気温31度の猛暑の中、川崎Fが前線の「新カルテット」が躍動し、逆転勝ちした。19日の鹿島アントラーズ戦から先発5人を入れ替え、MF家長が約2カ月ぶりに先発復帰。前半を0-1で折り返すと、鬼木監督が動いた。後半から小林を投入。同14分には鹿島戦で左足ふくらはぎを痛め途中交代した大島をも投入し、勝負に出た。後半21分に中村のゴールで追いつくと、同24分には、MF家長のクロスから小林が鮮やかなボレーシュートを決めた。大島は、ピッチに入ってわずか15分で再び負傷交代したが、試合終了間際に小林のクロスをMF阿部が流し込み勝負を決めた。

 ボールを保持して相手を走らせ、とどめを刺しにいく。川崎Fらしい勝ち方で公式戦5連勝。鬼木監督は「暑かったがゲームをコントロールできたことが勝因。後半は我々のサッカーができた」と振り返った。中村、小林に加え今季加入の阿部、家長が得点に絡み、前線4人の連係向上が大きな収穫だ。3つのアウェーゴールを手に、30日はホームで再戦する。小林は「ムアントンは素晴らしい選手がそろっていた。次はホームだが簡単な試合にはならない」と気を引き締めた。