J2モンテディオ山形がホームでFC岐阜に4-1と快勝し、今季最終戦を白星で飾った。1-1で迎えた前半36分、MF茂木力也(21)がプロ入り初ゴール。貴重な勝ち越し点を奪った。ピッチが積雪で白く染まる中、後半には今季限りで退団するDF石川竜也(37)を投入するとMF鈴木雄斗(23)が2ゴール。石川のラストゲームに若手が躍動し花を添えた。

 プロ初ゴールは、お世話になった先輩にささげるメモリアル弾となった。前半36分、うっすら白くなったピッチ左サイドから雪煙を上げ駆け上がるMF汰木を、茂木は見逃さなかった。マイナス気味のクロスにゴール正面付近で反応。インサイドで右足を振り抜き、勝ち越し弾を決めた。

 茂木 竜也さんの最後の試合だったのでどうしても決めたかった。相手DFが戻り切れてなかったので前にスペースがあった。今までいろいろなポジションに入った経験を最大限に発揮できました。

 浦和から期限付き移籍で今季加入のプロ3年目。ユースから生え抜きで昇格した浦和時代は、紅白戦のメンバーにも入れず悶々とした日々を過ごした。愛媛を経て活躍の機会を求め山形へ。11年間在籍した石川のラストゲームでようやくプロ初ゴールを上げた。

 真冬並みの寒気に襲われたこの日、山間部の肘折温泉では最高27センチの積雪を記録した。スタジアムのある天童市もみぞれから本格的な降雪に見舞われ、前半途中からオレンジのカラーボールが投入されるなど、厳しい試合条件となったが、全員で攻め上がった。

 茂木 竜也さんと過ごしていろいろ勉強させてもらった。経験のある選手でキックの質と球種はすごい。ぼくもまだ21なので竜也さんのようにこれから成長していきたい。

 試合前、木山隆之監督(45)から「歴史をつくってきた竜也のために勝ってしっかり送りだそう」と鼓舞された。その思いでひとつになり、茂木がラストゲームで決めた。世代交代を象徴する今季最終戦だった。【下田雄一】