前日までなびいていた茶髪がない。19日、J1清水エスパルスDF立田悠悟(20)が丸刈りで取材場所に現れた。23日の広島戦で開幕する今季の抱負、来年の東京五輪出場など聞きたいことがたくさんあったけれど、髪形だけで熱い思いが伝わってきた。いざ、口を開いても次々目標があふれる。生まれも育ちも清水のプロ3年目は、うれしいほど欲張りだ。

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-いよいよ開幕。髪形にはビックリです

「気合を入れるためです。昨日(18日)自分でやりました。丸刈りはたぶん幼稚園以来だと思います。日焼けのあとがあって恥ずかしいですけど、自分では悪くないかと。今年は副キャプテンになったので、自分の言動に責任がある。覚悟の表れだと思ってもらえればいいです」

-副将に選ばれ、立場も変わった

「監督に言われて正直ビックリしましたが、その場で返答しました。去年はみんなについていくだけで必死でしたが、そんなことも言ってられない。リーダーシップをとれる選手にならないといけないと思います。来年は(東京)オリンピックもあるし、海外でもプレーしたい。先を考えた時に今年は自分のサッカー人生を左右する大事な1年だと思っています」

-プロ1年目はリーグ戦出場がなかった。昨季は25試合に出場。着実にステップアップしている

「1年目は何もできず、練習でも泣きそうでした。ただ、その経験は大きかったです。あの悔しさがあったから、練習から意識高くやり続けて試合にも出られるようになった。とにかく、欲が出てきました。もっとうまくなりたい、試合に出て勝ちたい、海外に行きたい、日本代表に入りたい。その欲があるから成長できるチャンスだと思うし、今はサッカーをやっていて楽しいです」

-今季の活躍が来年の東京五輪につながる。どんなプレーを

「オリンピックは絶対に出たいし、海外でプレーしたい。同年代(冨安健洋や堂安律)は海外でやっているし、今は危機感と焦りしかないです。今年は全試合フル出場が目標。できるだけ無失点試合を増やすことが目に見える結果だと思うし、そこを追求してやりたい」

-清水生まれで、下部組織出身。次代のクラブを担う存在として期待されている

「自分が主力メンバーとしてリーグ優勝したい。ユース上がりの僕らが活躍することで下の世代には刺激になるし、その役目を担っていると思います。来年のオリンピックと将来海外でやるためにも本当に勝負の1年。開幕が待ち遠しいです」【取材・神谷亮磨】