J2東京ヴェルディの羽生英之社長(56)が14日、オンラインでの取材に応じ、クラブ活動停止とリーグ戦延期による影響で最大4~5億円の損失を計上する可能性があることなどを明かした。

クラブは新型コロナウイルスの感染拡大で東京都から外出自粛要請の出された3月下旬から男女のトップチーム及び、スクールなどの活動を全て停止している。羽生社長は財政面での影響について、入場料収入の減少や、スクール活動の4月分の月謝返金などによる減収が大きいとし「お金については4~5億円ぐらいのインパクトがあるかと思っています。スポンサー収入が入っているので、そこまで深刻な状況ではない」と話した。

クラブには親会社の日本テレビの撤退などで経営難に陥った09年から10年にかけての厳しい時期を乗り越えてきた歴史がある。羽生社長は「ここ最近は銀行さんからの信頼も得ているので、今現在でお金を貸してくださる銀行さんはいくつかある」とし、公的機関からの無利息での借り入れも可能な状況であることも明かした。

選手の給与についても「削減とか、それについて選手サイドと話し合いを持つということはありません」と話した。J1の北海道コンサドーレ札幌の選手たちが給与返上を申し出た件については「すごくいい話だなとは思います」としつつ「あくまで選手とクラブは契約をして、対等の関係。話し合いをして、こういう形で貢献してもらうとかあるかもしれないけど、今のところ給与削減などは考えるつもりも今のところないです」と繰り返した。

リーグ戦再開へ向けての準備期間については4週間が妥当との見方を示した。「現場にも最低4週間だよと伝えている」と明かし「練習量が足りないからあと2週間遅らせることよりも、無観客でも試合を行うほうが大切だと思う」と話した。

また、国内で最も感染者数の多い東京にあるクラブとしての責任感もにじませた。羽生社長は「まだまだ感染者数も多いし、医療体制は窮迫していると聞いている。できることは限られているけど、人に移さない、または自分自身も感染しないように心がけて日々行動していくしかない」と力を込めた。約2カ月ほど全体練習から遠ざかっている選手の状態も気にかけ「一番心配しているのは選手の心の問題。ストレスがたまっていると思うので、そこは心配です」と気遣っていた。