日本が招致を目指すサッカーの2018、22年W杯の国内開催地に広島市が立候補しないことが2日、関係者の話で分かった。長崎市との被爆地共同開催を目指す、2020年夏季五輪の招致検討に専念したいのが理由とみられる。

 広島市は日韓共催の02年W杯で、5万人収容の広島広域公園陸上競技場を会場に立候補したが、スタンドに屋根がないことを理由に落選。18、22年大会でも同会場での開催を模索してきたが、五輪招致により検討の時間的余裕がないことなどから、日本サッカー協会への立候補意向の表明を見送った。広島市は「あくまで検討中。最終決定はしていない」として4日にも結論を出したいとしている。

 日本サッカー協会は都道府県協会を通じ、10月30日までに立候補を希望する各自治体の意向表明を求めていた。日本サッカー協会の田嶋幸三専務理事は「まだ今回が完全な締め切りではないので門戸は開いている」と述べた。正式な申請の締め切りは来年1月8日になっている。

 18、22年大会には日本のほか、イングランド、オーストラリア、韓国など共催を含め10の立候補があり、来年12月の国際サッカー連盟(FIFA)理事会で両大会の開催国を一括決定する。(共同)