日本体育協会(日体協)の女性職員に対するセクハラ疑惑のあった、日本サッカー協会の田中道博専務理事(55)が10日、退職した。田中氏は、8月下旬から体調不良で1カ月以上の長期休養を取っていた。健康上の理由で、8日付で辞表を郵送しており、この日東京・文京区のJFAハウスで開かれた理事会で報告され、正式に決まった。

 田中氏は、日本サッカー協会から日体協に理事として派遣されていた11年2月、飲み会の席で女性職員にセクハラと疑われる行為をした。今年6月にその一部が明るみに出た。さらに4日には日体協の内部文書が発覚し、詳しい迷惑行動の内容が明らかになっていた。

 日本サッカー協会の大仁邦弥会長(68)は「健康上の理由で退職した。セクハラ疑惑は退職の理由ではない。セクハラはなかった」と話した。