<J2:町田0-0山形>◇第20節◇17日◇町田

 J2最下位の町田が、ホームの山形戦をスコアレスドローで終えた。

 ここ8試合で4得点と攻撃力不足に泣かされていた町田だが、開始1分に相手ボールを奪ったFW平本一樹がミドルシュート。2分にもMF鈴木崇文がシュートを放つなど、攻撃的な姿勢を出す。前半から多くのチャンスをつくったが、ゴールを奪えない。後半18分には、MF鈴木崇のパスに抜け出した平本がGKと1対1。しかし、これも山形GK清水の好セーブに阻まれてしまう。

 するとその4分後、自陣ペナルティーエリア内でファウルを犯し、PKの判定。絶体絶命のピンチと思われたが、山形DF石川のPKをGK修行智仁がストップ。この後も両チームゴール前での攻防が続く好ゲームとなったが、ともに得点できないままタイムアップとなった。

 町田は9試合勝利がなく、JFL降格の可能性のある22位のまま。ボールキープでは上回りながら勝ちきれないという試合が続いており、サポーターからブーイングがでてもおかしくない状況だが、そうなってはいない。大企業を母体にもたないため地域密着を目指し、また「少年サッカーのまち町田」らしく「こどもたちの見本になるようなサッカーを」というチームの理念に共感したサポーターたちは、上位チームに対する健闘、好ゲームにこの日も拍手喝采を送っていた。

 町田・アルディレス監督「勝ち点1を取るということが大事。いい内容のゲームだった。選手のプレーには誇りを感じている。自分たち自身に自信を持ってプレーするためにも大事な勝ち点1点。ボールを奪った後、チームでボールをキープできるよう後半に柳崎(祥兵)を、相手が長いボールを入れてくるだろうと思いその対応でアディショナルタイムに先崎(勝也)を投入した」。

 山形・奥野僚右監督「立ち上がりから予想されたような試合運び。データが示す通り、ゼルビアは被シュート数が少なく、失点も少ない。そういう守備の強固なチームであり、そこからの攻撃というスタイルが確立されたチームだった。勝ち点3を目指して来たが、(勝ち点1を)上に積めたことはよかった。夏場に向けて、もう一段レベルアップをお見せできれば。(選手の疲労は)条件は相手も同じ。疲労が見えたというのは、自分たちが目指す連動、連携の部分でミスが増えてしまったということかな」。