<J1:浦和2-0名古屋>◇第34節◇1日◇埼玉

 浦和で12年間プレーし、今季限りでの退団が発表になったFW田中達也(30)が、名古屋戦後にサポーターに別れのあいさつをした。

 長女と次女を連れ、チームメートとともに場内を一周。スタンドから投げ込まれるタオルマフラーや花束を抱えながらゴール裏に歩いていくと、涙があふれた。「レッズでのサッカー人生はすばらしく、充実した時間を過ごせました。リーグ優勝、ナビスコ杯優勝、天皇杯優勝、ACL優勝。たくさんの栄光をつかめたのは、家族や友人、チームメート、スタッフ、熱いサポーターのおかげです」。涙で言葉につまりながら、気持ちのこもったあいさつが続いた。

 「ここ数年はけがを繰り返しチームの力になれず、自分が悔しく恥ずかしかった。だけど、俺を長く信じて応援してくれる人がいて、点を取ってくれという言葉に何度も勇気をもらったし、支えられた。だから俺は、そんな人たちのためにサッカーを諦めるわけにはいきません」と宣言。浦和の歴史をつくったワンダーボーイが、ホームに別れを告げた。