開幕から攻撃サッカーを貫き「勝ち点90」でJ1昇格だ!

 J2仙台の手倉森誠監督(40)が、湘南との開幕戦(平塚)を翌日に控えた7日、シーズンの壮大な目標を設定。そのスタートとなる湘南戦も、超攻撃サッカーで勝ち点3をもぎ取る構えだ。

 日に焼けた指揮官の顔に、待ちに待ったリーグ戦開幕を迎える喜びと、緊張感が交錯した。「湘南とはタフなゲームになるけど、今シーズンを大きく左右する試合になると思う」。手倉森監督がそう位置づける開幕戦で勝利し、11戦無敗と勢いに乗った昨年同様のスタートダッシュを切りたい。そのために選んだ開幕ベンチ入りメンバーからも、同監督の目指すスタイルが見え隠れした。

 サブメンバーに、GK以外は守備的な選手を入れなかった。「攻めるんだよ。守りにいくわけじゃないんだから。アウェーだと慎重に、という考えもあるだろうけど、とにかく攻める」と息巻いた。湘南を倒し、勢いをつけ、リーグ戦を突っ走る-という青写真を同監督は描いている。壮大な数字が出たのは、その後だ。「勝ち点90以上は取りたい。試合内容が悪くても、勝ちを拾っていきたい」。

 チームにとって悪いデータもある。4年に1度のうるう年の開幕戦は、いずれも4失点で大敗しているデータがある。だが、そんな「負の歴史」など知るよしもない指揮官は、チームをJ1の舞台に上げることしか眼中にない。

 若手選手4人による不祥事の影響で思うように練習ができなかったり、長期間同じ場所で練習し続けることによる「精神的疲労」がまん延した、今年の仙台のキャンプ。手倉森監督は「いろいろあった…。よくここまでチームがたどり着いたと思う」としみじみ話した。パーフェクトとは言い難い状況だが、戦いのゴングが鳴れば、勝負師の本能そのままに、なりふり構わず白星を拾いまくる。【山崎安昭】